響け、夏のはじめの一音~小さな手が紡ぐ、伝統の音色~

7月から8月にかけての6日間、伝統文化こども教室「箏曲の部」を開催しました。午前は初心者の部、午後は経験者の部として、それぞれのレベルに応じたお稽古が行われました。

講師は、紫雨会(しうのかい)主宰の住吉如子先生。毎年、明るくパワフルに子どもたちと向き合い、箏の魅力を全身で伝えてくださっています。今年も午前・午後ともに熱心にお稽古をつけてくださり、参加した子どもたちは真剣なまなざしで箏に向かっていました。

午前の初心者の部には11名が参加。1年生から6年生まで幅広い学年の子どもたちが集まりました。高学年の子たちは、さすがに呑み込みが早く、また指にも力が入るため、しっかりとした力強い音を響かせていました。低学年の子どもたちも、2時間という長丁場のお稽古なので少し疲れてしまったり、絃をはじく指が痛くなってしまうこともありましたが、適宜休憩をとりつつ、お母さんがそっと隣で支えてくれたり、年齢の近い“サポート先生”(過去に当講座を受講し、現在も紫雨会でお稽古を続けている子どもたち)がやさしく手助けしてくれ、少しずつみんなと合わせて音を響かせることができるようになってきました。

子供のサポート先生も一緒にみてくれました
経験者の部では、綺麗な琴爪ケースにいれている子も

午後の経験者の部には3名が参加。今年は少人数ではありましたが、みんな打ち解け、アットホームな雰囲気の中、一人ひとりにじっくりとお稽古がつけられ、内容の濃い時間となりました。

最終日には、これまでのお稽古の成果を保護者の皆さまにご覧いただくミニ発表会を開催しました。
午前の部では、「さくら」「きらきら星」「チューリップ」の3曲を合奏で披露。午後の部では、3人による合奏で「踊るポンポコリン」に挑戦し、それぞれの“持ち曲”として「たきび」「ぞうさん」「かぞえうた」も発表し子どもたちが奏でる音色に耳を澄ませました。

みんな緊張しながらも、6日間のお稽古の成果をしっかりと披露することができご家族の方々からあたたかい拍手が送られました。

この講座をきっかけに箏と出会い、そのまま紫雨会でお稽古を続けている子どもたちが“サポート先生”として参加してくれているのも、この教室ならではの魅力です。かつての受講生が後輩たちをやさしく支える姿に、伝統文化が着実に次の世代へと受け継がれていることを感じさせてくれました。

箏にふれた6日間を通じて、子どもたちは音を楽しみながら学びを深めました。今回の経験が、今後の成長につながることを願っています。


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