【開催レポート】2025年伝統文化こども教室〈日本舞踊の部〉

今年の「日本舞踊の部」には、小学1年生から中学2年生まで、10名の子どもたちが参加してくれました。毎年のように継続して参加してくれる子もおり、子どもたちの成長を見守れるのがうれしい教室です。

講師は、やさしく丁寧にご指導くださる満帆会(みつほかい)の皆さん。初めての子も安心して参加できる雰囲気の中で、日本舞踊の基本となる所作を学び、それぞれの演目に取り組みました。

毎回の教室は、ごあいさつのあとに「NOSS(ノス)」からスタート。NOSSは、日本舞踊の西川流三世家元、西川右近氏が創案した、日本舞踊の動きをベースにしたエクササイズです。リズムに合わせて体を動かすことで、楽しみながら自然と美しい所作が身につきます。今年は子どもたちに加えて保護者の方々も一緒に体を動かす様子が見られ、笑顔が広がる和やかな時間となりました。

今年の子どもたちはとにかく元気いっぱい。練習の合間には鬼ごっこやじゃんけんに夢中で、休憩時間も全力投球。その一方で、本番が近づくと気持ちを切り替えて、集中して踊りに取り組む姿がとても印象的でした。

当初は学年ごとに分かれて練習を進めていましたが、途中から小学1・2・3年生がひとつのチームとなり、「絵日傘」と「桜禿(さくらかむろ)」の2曲に挑戦しました。「絵日傘」ではかわいらしい傘の小道具を手に明るく元気に、「桜禿」では桜の枝を使って、柔らかで上品な雰囲気の踊りに取り組みました。子どもたちは先生やお友達の動きをよく見ながら、少しずつ振りを覚えていきます。毎年のことながら、子どもたちの記憶力には本当に驚かされます。

小学5・6年生と中学2年生のグループは、美空ひばりの名曲「川の流れのように」に合わせて、しなやかで落ち着いた踊りを練習しました。腰を少し落とす動きや首の傾け方など、ほんのわずかな所作の違いによって踊りの雰囲気ががらりと変わり、びっくりするほど大人らしさが感じられます。

最終日には、ご家族の方などに集まっていただき、グループごとの成果発表を行いました。たった6日間のお稽古ではありますが、全員が練習の成果を存分に発揮し、充実したすばらしい発表でした。

バレエやヒップホップなどのダンスもいいですが、日本舞踊にはまたそれらとはまったく別の美しさが宿っていると実感でき、今年も、笑顔と真剣なまなざしがあふれる、心温まる教室となりました。来年もぜひご参加ください。


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